「死ぬときが一番」だと、遅いんです
Kコーチから受け取った「死ぬときが一番強い」という言葉。
わたしはこの言葉を胸に、探究を続けてきました。
武術・武道をする人は、世の中にそう多くありません。
だから、一般の人でも「死ぬときが一番」の状態でいられるアプローチを探したいと思いました。
そこでわたしが基準にしたのは、こういうことです。
能力の高いトップアスリートにも通用し、年齢的な衰えがくる高齢者にも効果や変化があるもの。
その両方に効くものだけが、「死ぬときが一番」に該当する。
そう考えて、その場で変化を実感できるものだけを残してきました。
わたし自身は、今この瞬間もベストパフォーマンスだと思って活動してきました。
でも、「死ぬときが一番」という言葉だけでは、それが伝わらなかったのです。
ある日、大学生を指導していたとき、こんなことを言われました。
「『死ぬときが一番』だと、遅いんですよ」
ハッとしました。
たしかに、「死ぬときが一番」だけだと、「いつか」とか「死ぬときには」一番になれる、というニュアンスにしか取れない。
いまこの瞬間がベストだという実感は、この言葉だけでは伝わらなかったのです。
そこでわたしは、言葉をこう変えました。
「今が一番、そして死ぬときが一番」
いまこの瞬間がベストで、しかも、これからもっと良くなっていく。
未来の可能性と、いまの現実。 その両方を同時に生きる、という意味を込めた言葉です。
疲れや痛みは、次のヒント
「今が一番」と言うと、こう聞かれることがあります。
「吉田さんは、疲れや痛みを感じることはないんですか?」
もちろん、あります。 わたしも人間ですから。
でも、いまのわたしにとって、疲れや痛みは、身体からのメッセージであり、さらによくなるためのヒントです。
実際、そこからこれまで氣づいていなかった視点やアプローチを見つけることが、何度もありました。
痛みが教えてくれる。 疲れが教えてくれる。
そう受け取れるようになったとき、「今が一番」は、強がりではなく、実感になります。
歳を重ねることは、衰えることではない
あなたの全盛期・ピークは、何歳のときですか?
多くの人は「20代、30代がピーク、その後は衰えていく」と答えるかもしれません。
でも、それは本当でしょうか。
もし衰えていくのだとしたら、それは年齢のせいではなく、後天的に身につけた能力だけで生きてきたからかもしれません。
意識的な筋力、意識的な頑張りは、たしかに歳とともに維持が難しくなります。
でも、元々備わった能力は違います。
進化の回路は、何億年もかけて磨かれてきたものです。 あなたが何歳であっても、その回路は錆びついていません。
ただ、眠っているだけです。
歳を重ねることは、衰えていくことではなく、経験とともに身体の能力がどんどん引き出され、洗練されていくこと。
わたし自身、いまもそれを体現している最中です。
去年より、今年。 昨日より、今日。
「今が一番」を、毎日更新していく。
そういう人生が、誰にでも開かれています。
今日からできる小さな一歩
今日一日の終わりに、「今日、身体が教えてくれたこと」をひとつだけ思い出してみてください。
痛みでも、心地よさでも、ふとした違和感でも。
それを「ヒント」として受け取る練習が、「今が一番」の人生の始まりです。

